「AIを使えば、一人でも新しい事業を立ち上げられるはずだ」——そんな情熱を自ら実証してみせたのが、イノベーティブ・ジャパン株式会社の浅見 純一郎さんです。
AIエージェントを頼もしい“相棒”に、アプリ開発から会社の設立までをわずか28日間で完走して生み出したのが「ArthurBrief(アーサーブリーフ)」でした。
これまでハードルの高かった情報発信を誰でも手軽にできるようにし、自由に思いを届けられる未来を目指すこのサービス。その裏側には、浅見さんが昔から大切にしてきた「やってみれば、何とかなる。」というブレない挑戦心がありました。
豊洲での活動経験と、最新テクノロジーへの鋭い眼差しを掛け合わせ、今なぜ一歩を踏み出していくのか。AI時代における新たな可能性、そしてTOYONOMAから巻き起こす共創のビジョンに迫ります。
Q1|まず取り組み・プロジェクト名を教えてください。
ArthurBrief(アーサーブリーフ)
— AIエージェントと28日間で作ったAI動画自動生成サービス
イノベーティブ・ジャパン株式会社は、AI技術を核に新しい事業や会社を生み出す「カンパニークリエーション」を手がけている会社です。その第一弾として立ち上げたのがArthurBrief株式会社であり、そこで開発したのがAI動画自動生成アプリ「ArthurBrief」です。

——「ArthurBrief」という名前の由来は?
この名前には、ふたつの遊び心と想いが込められています。
ひとつ目の「Arthur」は、アルファベット順で先頭近くにくる名前にしたいというこだわりがあります。さらに、自分の名前である「Asami」と“アサ”の発音まで一致していて、運命的な出会いのように感じたのです。そして、アーサー王が数々の騎士を率いて王国を納めたように、AIを配下に置いて事業を動かしていく、このプロジェクトのイメージにもぴったり重なっています。
ふたつ目の「Brief」は、「伝えられないものを、伝えたい」というミッションを表しています。AIと議論している中で、「Briefing(概要・説明する)」という言葉が提案され、「これだ」とピンときました。
人間の想いとAIの視点が重なり合って生まれた名前は、まさに「ArthurBrief」というサービスの本質を体現していると思います。
Q2|このプロジェクトの概要と始めたきっかけがあれば教えてください。
ArthurBriefは、テキストやPDF、URLを渡すだけで、AIがナレーションやBGM付きの動画を自動生成するサービスです。たとえばTOYONOMAのホームページのURLを入力すれば、TOYONOMAの紹介動画が自動的に仕上がります。
このアイデアの原点は、KPMGやデロイトトーマツで20年間、IT導入やDX戦略に携わる中で、パワーポイント制作が業務の中心だった経験にあります。「パワポを自動で作れたらいいな」という思いから、そこにナレーションやBGMを加えれば「動画」になるという着想を得て、本や新聞より情報量が多く、受け手のストレスも少ない「一番伝わる手段」としての動画に可能性を見出したことでArthurBriefが誕生しました。
その後AIを独学で学び、「AIを使えば、一人でも事業を立ち上げられるはずだ」と確信して事業構想に着手。AIの活用により、プログラム開発から会社登記、アプリ開発までを「28日」で完走。通常なら会社設立と開発に半年以上かかる工程を6分の1に圧縮し、2026年2月の会社設立と特許出願までを成し遂げた形です。
リリース後もArthurBriefは進化を続けており、その一例として、デジタルサイネージとの連動も進めています。単に「動画を見てね」と伝えるだけでなく、モニターという「モノ」を設置して自然と視界に入る環境をつくることで、低コストで多くの人に届ける狙いがあります。
Q3|プロジェクトを通して、暮らしのどんな課題を解決したいですか?
「情報発信の格差」をなくしたいと思っています。
現在、動画は最も人に伝わりやすい手段ですが、制作には時間やコスト、専門知識が必要であり、これまでは資金力のある企業や一部のクリエイターしか使いこなせませんでした。ArthurBriefはそのハードルをAIで無くし、誰もが自分の言葉やアイデアを高品質な動画で発信できる環境を整えていきたいです。
そう考えるようになった背景には、豊洲での自治会やPTA活動などを通して、発信力のある一部の「発信者」と、情報を受け取るだけの「受信者」に分断されてしまうもどかしさを感じていた体験があります。一方通行ではなく、誰もがフラットに声を届けられる社会の方が温かく、健全であるはずです。
加えて、ArthurBriefを活用すれば「言葉の壁」も越えられます。外国人労働者が多い職場での外国語ナレーション動画や、医療現場での誤解防止にも役立ちます。
特に私たちがこだわり、特許も出願しているのが「やさしい日本語」への自動変換機能です。「マグニチュード6の地震がありました」を「大きい地震がありました」のように伝わりやすい平易な表現へと言い換える機能は、海外製の動画生成AIツールにはない独自の強みです。
Q4|今後、事業が拡大することでどんな世界を実現したいですか?
「誰もがアイデアひとつで、自分の事業や会社を立ち上げられる世界」を実現したいです。
これまでの時代、事業を起こすには大きな資金や組織、高度な専門知識が不可欠でした。しかし、AIエージェントを活用することで、企画・開発・経理などの業務を個人でカバーできるようになりました。私自身、アプリ開発から法人登記までをわずか28日間で成し遂げたことで、その大きな可能性を実感しました。
今後は、大手コンサルファームで培ったDXや事業構築方法論を現場で使える形に落とし込みながら、「ArthurBrief」に続く第二、第三の事業を生み出していきたいと考えています。そして自分自身が挑戦を続けながら、「会社を作りたい」と願う挑戦者の後押しもしていきます。
また、豊洲という街、そしてTOYONOMAという場で、大企業・スタートアップ・個人が垣根なく共創できる環境を通じて、「こんな未来をつくりたい」という熱い思いを持った人たちが集まり自然と結びつくような「挑戦の輪」を広げていきたいです。
Q5|最後に伝えたいメッセージをお願いします。
「やってみれば、何とかなる。」 これが、今一番伝えたいことです。
私は昔から新しいもの好きで、不安よりも「まずはやってみよう」と思えるタイプです。「こうすれば将来伸びるだろう」と青写真を描くことに面白さを感じ、自ら形にしていくことが自分の性に合っているのだと実感しています。
かつて豊洲がまだ開発途中だった頃も、「きっと良い街になる」と信じて自ら地域の役職を引き受け街に関わってきたように、可能性を見つけてカタチにしていく姿勢は、昔から変わりません。AIの登場で誰もが挑戦できる時代になった今、まずは自分自身が動くことで社会の閉塞感を打ち破っていきたいと思っています。
これから一歩を踏み出したい方に伝えたいのは、「こうしたい」という熱い想いと冷静な準備、そして最後に直感に委ねる少しの軽やかさを持つことの大切さです。「面白そうだからやってみよう」という気持ちこそが、失敗の恐れを越えさせてくれます。
もし踏み出せずにいる人がいるなら、私はいつでも背中を押し、寄り添える存在でありたいです。TOYONOMAでのご縁を大切に、色々な方と出会い、挑戦の輪を広げ、一緒に何かをカタチに生み出していけたら嬉しいです!
|まとめ
AIという頼もしい“相棒”を得て、「28日間」でアイデアを形にしてみせたこの姿 は、一歩を踏み出せずにいるすべての人へ向けた勇気のメッセージでもあります。
かつて造船所の面影が残る豊洲の街が豊かな変化を遂げたように、TOYONOMAという共創の場を通じて、多様な想いを持つ人々が混ざり合い、新たな価値が生まれていく未来がここから始まります。浅見さんの挑戦心と温かいサポートは、ここに集う挑戦者たちの背中を力強く押してくれるはずです。
「ArthurBrief」に続く第二、第三の物語、そして豊洲から広がる「挑戦の輪」から、これからも目が離せません。
|紹介
■ 著書
・『図解版・就職氷河期にコンサルティング業界へ入った父親が、娘に伝えたいこと』
・『生成AIと政治・行政──AIと人間との対話で探る日本の未来』
・『野沢温泉探訪記──世界が注目する村の魅力と地域戦略のリアル』
・『4P+P AI暴走タワー──思考のフレームワークで未来を拓く』
■ 開発プロダクト
・AI動画自動生成アプリ「ArthurBrief(アーサーブリーフ)」